おはようございます!
こんにちは!
こんばんは!
オーエープラザ店長の桑原です!
今まで幾度もおススメしてきたSSDですが、
パソコンの起動が速いというだけで、安いHDDに勝る価値はあるのか、
他に何かデメリットがあるのではないのかと、不安になる方もいらっしゃるかもしれません
そんな方のために、ここで様々な要素からHDD/SSDを比較してみようと思います
◆読込/書込速度◆
言わずと知れたSSDの最大のアピールポイントですね
「HDDだとパソコンが起動するまで3分以上も掛かっていたが、
SSDに変えたら10数秒で完了した!」
と言ったらこれほどの利便性はありません
また種類にもよりますが、
SSDのデータ読込/書込速度はHDDの約3~5倍
というデータが出ています
これは特に大容量データのコピー時に実感できると思います
またランダムアクセススピードは約40倍!という差があります
これは小さな容量のファイルまたはアプリケーションを立ち上げる時に速度差に関係してきます
◆衝撃に対する耐久性◆
一般的にHDDの方が衝撃に弱いと言われています
これは内部構造の違いによるもので、
HDDはレコードや音楽CDのように、
磁気ヘッドが回転するディスクの溝に合わさる事でデータにアクセスしています
外部から衝撃が加わると、その磁気ヘッドがディスクに強く押し付けられたり、磁気ヘッドが一瞬ディスクから離れ、その反動でディスクに強く打ち付けられたりして、ディスクを傷つけてしまう事があります
この傷を「不良セクター」と言います
この不良セクターを放置していると、
物理的に破損した箇所にアクセスするたびに磁気ヘッドにもダメージが加わり、さらに破損が進行していきます
このように、衝撃を与えてしまった時に特に不具合が出なくても、
後から徐々に壊れていき、HDDが読み込めなくなることも少なくありませんので注意です
SSDはシンプルな半導体素子メモリの電子回路であり、HDDのような駆動部分はありません
衝撃を受けても、構造的に深刻な破損となるケースは少ないです(衝撃の度合いにもよりますが)
例えば半田ごてが甘く、衝撃によってチップと回路の接触不良が生じてしまうケースもありますがごく稀です
◆寿命◆
・HDDの寿命
一般的にHDDの寿命の目安は平均3年~4年程度(時間換算で約26,000~35,000時間)と言われています
しかしHDDの種類、動作環境、データの管理方法などにより大きく左右されます
一日フルで使い続ければ1年で持たなくなる場合もありますし、
使用時間がすくなければ10年以上使い続けられる事もあります
寿命の兆候
HDDに不具合が出始めると、動作が重くなったり、フリーズやエラーが頻発する事があります
ハード的な問題では、HDDのディスクの回転音が異様にうるさくなったり、異常に熱くなる事もあります
このような状態が生じ始めたら、寿命の兆候と捉え、即座にバックアップを行うべきです
・SSDの寿命
SSDの寿命については諸説あり、はっきりとは分かっていません
ただHDDより寿命は長いと言われています
SSDは36.5TBの読み書きが一般的な寿命の基準と言われており、
一日に20GBのデータを読み書きしたとしても5年は持つ計算となっています
(※36.5TBというのは、メーカー公開の5年保障値より逆算)
HDDは駆動部分の摩耗など経年劣化による寿命が多いですが、
SSDは読み書き回数の限度に達したら、そこが寿命といった感じです
寿命の兆候
上記のようにHDDは壊れる前兆が分かりやすいですが
(※前兆もなく壊れて、読み込めなくなることも稀にあります;;)
SSDには寿命の兆候を表すものは見当たりません
そこで便利なツールがあります
ネットで「CrystalDiskInfo」と検索してください
こちらはフリーソフトの診断ツールで、HDD/SSDの今の状態をレポートしてくれます
こちらをダウンロード、インストールしたら起動すれば、すぐに結果が表示されます
このようにストレージの状態を非常に事細かく診断してくれます
(画像はSSDの物ですが、HDDでも回転数など詳細をレポートしてくれます)
このように左上の健康状態が「正常」となっていれば、問題は生じていません
「異常」となっていれば、早急なデータのバックアップが必要となります
使用時間が7000時間超えと結構長く使っているように見えますが、
総読込量/総書込量を合わせても1TBにも届かず
SSDの限度が36.5TBだとすると、まだまだ全然使えそうですね
◆表面温度◆
熱に弱いのはHDD、SSDどちらも同じです
パソコンを使用時はHDD、SSD自体が表面温度は40度程度にまで上昇しますが、
HDDは50度、SSDは70度が一般的に動作時の限界温度と言われています
SSDは一般的にHDDより消費電力が少なく、発熱も少ないと言われています
しかし処理速度の速いNVMe SSDを使用したり、高負荷の掛かるアプリを使用すると、SSDでもそれなりに温度は上昇します
SSDには「サーマルスロットリング」という熱暴走を防ぐ安全装置が備わっていて
目安として70度を超えると自動的に処理を遅くすることで、安全な温度を保とうとしますが
この機能だけで発熱による故障を防ぐことができるとは限りません
また低温すぎるのも良くありません
氷点下に近い温度では起動自体が怪しくなります
特にパソコン内部に結露が生じるような環境で通電してしまうと、故障の原因となります
(キチンと乾いてから通電するなら大丈夫です)
↓ノートパソコンの発熱が気になる方は、こちらの記事
「ノートパソコンの熱が心配、そんな時は・・・」を参照してください
また上記で紹介したフリーソフト「CrystalDiskInfo」を使用して、実際の温度を確認しておくと安心です
◆SSDにデフラグは必要なのか?◆
HDDなどの記憶装置は、
長い間使用していると一つのデータがディスクの中で
バラバラの場所に書き込まれるようになり、アクセスが遅くなることがあります
これを断片化と呼び、データを整理して断片化を解消することを「デフラグ」と呼びます
デフラグツールは無料でダウンロード出来ます
HDDが主流の頃は定期的なデフラグが推奨されていました
しかしデフラグとは元々HDDの仕様に合わせて設計されたもので、
動作原理の異なるSSDでは、デフラグは不要と言われています
この画像のようにHDDはディスクを回転させてデータを読み込んでいるので、
読み込みたいデータの位置がバラバラだと、何度も回転させないといけませんし、
読み込むためのヘッド部分も頻繁に上下に移動することになります
しかしデフラグをすることで、データを連続で読み込めるようになり少ない回転数で済むようになります
SSDの場合は、順番に直接その位置にデータを読み込みに行くのでデフラグによる恩恵はほぼありません
むしろデフラグする事で、SSDの書き換え回数を消費してしまい僅かに寿命が縮まってしまいます
◆その他の比較要素◆
重量
機種などにもよりますが
・内蔵HDDなら400~700g
・内蔵SSDなら100g以下
が多く、一般的にSSDの方が軽いです
ただ外付けやノートパソコンなら持ち運びの問題がありますが、デスクトップならあまり気にしなくていいかもしれません
静音性
HDDはディスク回転による駆動音がしますが、SSDからは音はしません
◆容量に対する価格◆
最後に価格の差ですね
HDD最安価
1TB・・・4000円前後
4TB・・・8000円前後
SSD最安価
240GB・・・3500円前後
500GB・・・6000円前後
1TB・・・12000円前後
価格ドットコムで調べたところ、現在の相場目安としてはこんなところです
また、SSDにはNVMe、SATAといった二つの転送方式があり、
転送速度の速いNVMeの方が割高となっています
同じ1TBの容量でもSSDはHDDの3倍値段が高いという事です
しかし全体としては数年前と比べSSDもHDDも随分価格は安くなっています
如何でしたでしょうか?
SSDを選ぶメリットは、転送速度以外にもこれだけあります
このように価格以外はHDDの上位互換と割り切ってしまっていいので、安心してご使用ください
ただ時代とともに主流が変わっていくだけで、決してHDDが悪い物だというのではありません
使用用途によってはHDDでも使い心地はそう変わりませんし、
何より昔と比べても途轍もなく安くなっています
(3年前ですらHDD1TB・・・30000円前後、今は4000円前後)
むしろ主流を外れつつある今こそHDDの買い時とも言えます
それでは、これからもオーエープラザをどうぞよろしくお願いします