USB3.0をゆっくり挿すとUSB2.0として認識されてしまう原因

おはようございます!
こんにちは!
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オーエープラザ店長の桑原です!

これは、少し前に話題になっていた現象です

USB3.0コネクタを差込口にそのまま挿すとUSB3.0として認識されますが、

USB3.0をゆっくり挿すとUSB2.0として認識されます

・・・何故そんな現象が起きるのか?結構アナログな理由だったりします


その理由はコネクタの構造にあり、

USB2.0の内部にはUSB3.0と互換性のある端子がありますが、

USB3.0の場合、その奥にも端子があります

奥の端子はUSB3.0特有の物であり、
そのUSB3.0用端子が接続側と接触して初めて、デバイスがUSB3.0だと認識します

つまりUSB3.0が根元まで差し込まれる前に、USB2.0互換端子と接触されたまま一定時間が過ぎると
早々にデバイスがUSB2.0だと誤認識してしまうのです

USBコネクタ内部.jpg

互換性を残した故のカラクリのような物ですが、
接続状態によって転送速度に大きく差が開くというのも中々原因が思いつかない現象かと思います

そういえば自分も、スマホの充電がやたらと遅い・・・と思ったら充電ケーブルが半挿しだった事もあります

「パソコン関連のトラブルは意外に再起動、再接続で解消する」という教訓がここでも活きてくる訳ですね

USB2.0と誤認識されて、本来のスピードが出ていない、だけならまだいいですが、

USB3.0を前提としたプログラムやフォーマットなどを利用する時は、認識されなければエラーとなりますので注意です

とはいえ、素早く挿そうとして力が入りすぎて、コネクタを壊してしまった!なんて事がないよう注意してください

——————

そもそもUSB2.0、USB3.0とは何か?何が違うのか?と疑問な方はこちらの記事をご覧ください↓
USB3.0とUSB2.0の違いを知ろう

それでは、これからもオーエープラザをどうぞよろしくお願いします!

 

【HDD/SSDの容量について】スペックの記載と比べ、実際の容量が少ないのは何故か?

おはようございます!
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オーエープラザ店長の桑原です!

今回はスペックに記載されたストレージ容量と、パソコン上で確認した容量の差について解説します

例えば、「SSD500GB」搭載のパソコンを購入し、中身のデータ容量を見たら「465GB」となっていたという経験はありませんか?

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スペック表記と30GB以上も差があるのですが、
これは不良品でも、手違いでもなく、コンピュータの計算式による仕様なのです

―――――――――
110921qc.png

まず知っておくことは

我々人間は普段、十進法(0,1,2,3,4,5,6,7・・・)という基準で数字を数えますが、
コンピュータは全て二進法(2,4,8,16,32,64,128,・・・)で計算しているという事です

十進法では、1KB = 1000B となりますが、
二進法の場合 1000B というキリのいい数にはなりません

なのでパソコン上では二進法で最も「1000B」に近い「1024B」という数値を「1KB」と定めています

単位が大きくなるほど、このズレも大きくなっていきます

十進法では、1KB = 1000B

二進法では、1KB = 1024B

ですが、これが・・・

十進法では、1GB = 1000 × 1000 × 1000 = 1,000,000,000B

二進法では、1GB = 1024 × 1024 × 1024 = 1,073,741,824B

となり、GB単位だとここまで差が出てきます

ここでSSD500GBを、一つ下のMB表記で計算してみると、

十進法では、500GB = 500,000MB

二進法では、500GB = 536,870MB(小数点切り捨て)

となります

―――――――――

このズレが何を生み出すのかというと、

例えば「SSD500GB」と書いてある商品の場合は、実容量は十進法に基づき「500,000MB」に限りなく近い容量に設定されます

「500GB = 536,870MB」という計算式である二進法に「500,000MB」を当てはめると

二進法上では「500,000MB = 465.7GB」となる
という事です

謎が解けましたね

つまり「SSD500GB」の商品はだいたい「500,000MB」の容量を保証しており、

十進法では、500,000MB = 500GB
二進法では、500,000MB = 465.7GB

と表現されるため、パソコン上では容量が少ないように見えるのです

(※実際、十進法上での500GBを確保しているので少ない訳ではありません)

―――――――――

であれば、販売する時に「SSD500GB」と表記するより「SSD500,000MB」とした方が、より正確なのですが
桁数が無駄に多いと目が泳いでしまいますし、不便ですよね・・・

また時代が進んで、更に上の単位でも同様の問題が生じる事を考えるとキリがないです

現在よく販売されているSSDの容量の
パソコン上での容量は以下の通りです
(左が表記容量、右がパソコン上での容量)

無題.png

また、これは別問題ですが
メインストレージにはOSを載せている為、パソコン購入時の空き容量は数十GBのOS分の容量を引いた数値となる事も留意しておいてください

それでは、これからもオーエープラザをどうぞよろしくお願いします!

 

従来の約7倍の速度を誇る「NVMe M.2 SSD」を解説

おはようございます!
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オーエープラザ店長の桑原です!

HDDの上位モデルのストレージとしてSSDが登場したのは、そう昔の事ではないと思いますが、

早いもので近年従来のSSDよりも更に進化したモデルも登場しています

それがPCIe×NVMe接続を利用した「NVMe M.2 SSD」です

こちらは従来の2.5インチSSDに比べ、理論上約7倍の転送速度を誇ります

更には、既に2280サイズで容量2TBも販売されており

「高速転送×コンパクトサイズ×大容量」を実現した夢のようなSSDと言えるでしょう

HDD→SSDでも起動時間が爆速に上がった感動があったというのに、更に速度が伸びたら一体どうなってしまうんでしょう??

今回はその「NVMe M.2 SSD」について従来の物と何が違うのか、紹介いたします↓

◆SSDの種類◆


■2.5インチSSD
従来のSSDの事です
基盤が格納されており、プラスチックのケースの様な形状をしています

元々ただのSSDと呼ばれていましたが、M.2 SSDが生まれ差別化のためにこう呼ばれるようになりました

M.2形状04.jpg

■M.2 SSD
新規SSD規格で、後述のmSATA SSDの後継モデルです
2.5インチSSDよりもコンパクトで、基盤が向け出しになっています
サイズは2242、2260、2280などがあります(2280は幅22mm×長さ80mmを示しています)
そのコンパクトさから薄型ノートPCなどによく使用されています

「NVMe M.2」と「SATA M.2」の2種類が存在し、従来の理論上約7倍の転送速度!と謳っているのは「NVMe M.2」の方です

M.2形状01.jpg

■mSATA SSD
M.2 SSDの前のモデルで、あまり見ないタイプですが
M.2 SSDよりも小さく、ノートPCやタブレットPCで使用されています

M.2形状03.jpg

◆接続規格の種類◆


■PCIe×NVMe接続
転送速度:最大40Gbps(理論値)

進化した新しい接続規格で、単にPCIe接続、NVMe接続と呼ぶ事もあります
SSDとしての転送速度が大幅に改善された接続規格で、理論上は最大40Gbpsまで対応しています
従来より転送速度の上限が大幅に伸びだおかげで、SSD本来のパフォーマンスを発揮できるようになりました

ただデメリットとして、転送速度の上昇に伴い発熱量が多くなり、コストも相応に高いです

■SATA3.0接続
転送速度:最大6Gbps(理論値)

従来の標準的な接続規格でHDDも2.5インチSSDもこの規格に対応しています
SSDは基本的に転送速度の上限以上の転送速度は発揮出来ないのですが、SATA3.0接続の上限は6GbpsとPCIe×NVMe接続よりだいぶ低いので、SSDが高い性能を持っていたとしても、そのパフォーマンスは出せません
特にM.2の場合は上限を超えてしまう性能の物もある為、NVMe M.2 SSDが存在します

またM.2でも「SATA」と書いてあるものは、SATA接続となります

接続01.jpg

◆それぞれの言葉の意味◆


ではPCIeやNVMeは何が違い、どういう意味なんでしょう?

■PCIe
「PCI-Express」の事です
マザーボードにグラフィックボードを挿す端子もPCI-Expressと呼び、同じ技術ですがM.2はスロットが違います
AGP規格に代わる、高速データ通信がおこなえるシリアル転送方式の通信規格です
正式名称は「Peripheral Component Interconnect-Express」

■NVMe
SSDをはじめ、不揮発性メモリを使用したフラッシュストレージのために最適化された通信プロトコルです
PCI Express接続に最適化されたNVMe論理インターフェースを用いて通信しています
正式名称は「Non-Volatile Memory Express」

ざっくり言うと
PCIeはグラボやSSD、USBメモリなど幅広い用途で使われる高速の接続方法
NVMeはPCIe接続に対応出来るようにしたストレージ側の接続規格
という感じに認識してもらえば大丈夫です

■SATA
「Serial ATA」の事です
ハードディスク、SSDや光学ドライブを接続する為のインタフェース規格です
SATA1.0、SATA2.0、SATA3.0とバージョンが上がっていき性能も向上しています

◆M.2 SSDの形状◆


先程も記述しました通り、
M.2 SSDだからと言って、全てがNVMe接続であり、従来の7倍近い転送速度が出せる訳ではありません
SATAタイプのM.2も存在し、こちらはNVMe接続ほどの速度は実現出来ません

■NVMeタイプ M.2 SSD
M.2形状01.jpg

■SATAタイプ M.2 SSD
M.2形状02.jpg

m2形状違い.jpg

このようにNVMeタイプとSATAタイプで接続端子の「切り欠き」が異なります
右側に切り欠きがあるM KeyはNVMeタイプ、二箇所切り欠きがあるB&M KeyはSATAタイプとなりますので見分けは可能です

多少商品によって例外もありますが、概ねこの認識で大丈夫です

どちらもM.2スロットに挿せて、互換性があります
(稀にB Keyのみ対応というM.2スロットがありますが、まず見かけません)

◆ベンチマーク性能比較◆


benti00.jpg

こちらがそれぞれのSSDのベンチマーク結果です

SSDの製品によりますが、NVMeとSATAの性能差はだいたいこのくらいあります

◆実際の接続◆


イメージがしづらいかもしれないので、実際にどのように接続しているか説明します

ストレージの接続スロットはSATA対応とM.2対応があり、異なるスロットには挿せません
このように対応しています↓

接続02.jpg

■M.2接続スロット
マザーボードに「M.2スロット」が付いています

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基本的にマザーボードとM.2が平行になるようにスロットが設けられています
ネジ穴が3か所ありますが、M.2の長さによってネジの取り付け位置が変わります

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またM.2スロットがSATA、PCIeどちらに対応しているかは見た目ではわかりません
ですがおそらくパソコンのスペックに書いてあると思います
(PCIe接続とか、NVMe対応とか一切書いていなければ従来通りのSATAの可能性が高いです)

■SATA接続スロット

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SATA接続スロットは互換性があり、HDDも2.5インチSSDも取り付けられます

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また、SATAケーブルでストレージをマザーボードと繋ぐタイプもあります

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M.2/SATA変換アダプタという商品もあります

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これは、表面にM.2を取り付けられる基盤で、SATA接続スロットに挿すことが出来るので、
M.2スロットがないマザーボードでも、SATAスロットを介してM.2 SSDを利用する事が出来ます

またSATA-USB変換ケーブルという物もあり、
HDDや2.5インチSSDのような内蔵ストレージを外付けストレージのようにパソコンにUSB接続する事が出来ます

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なおNVMeも得意、不得意があり、
得意な部分はその速さを体感できますが、
不得意な部分は従来のSSDとそこまで速度は変わりません

・得意
ファイル、動画、画像のコピー速度
ゲームのロード時間など

・不得意
OSやアプリの起動速度

とはいえ、OSの起動速度は様々な検証結果を参照したところ、
SATA SSD→MVNe SSDでだいたい1~3秒ぐらいは速くなっているようです

流石にHDD→SSDほどの感動はないですが、
まだまだ速くなることに驚きです

それでは、これからもオーエープラザをどうぞよろしくお願いします!

Core i7とかRyzenって何?CPUの表記とその性能

おはようございます!
こんにちは!
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オーエープラザ店長の桑原です!

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パソコンのスペックを表す表現として

・メモリは作業机の大きさ
・CPUは作業者の頭脳
・ストレージは机の引き出し

このようによく例えられます

つまりパソコンの最も重要な「頭脳」の部分を担当しているのが「CPU」な訳で、
「CPU」の性能はまさにパソコンの性能そのものと言っても過言ではありません!
特にパソコン選びにおいて、CPUの性能を知っておくと重要な指針となります

しかしCPUのスペックの表記は初心者の方にはなかなかに不可解です↓

「CPU:Intel Corei5-8250U 4コア8スレッド 1.60GHz ターボブースト時 3.40GHz」

突然こう言われても、何を示しているのかさっぱりわかりませんね…

自分も昔CMでやっていたキャッチコピー「インテル入ってる」でIntelという言葉を知ったぐらいです

ただしこれらの文字の羅列は、左が最も重要で右に行くにつれ重要度が薄れていきます

各文字にはこのよう意味があります

cpu-meisyo-line.jpg

重要な左側から順に説明していきます↓↓

◆CPUのメーカー◆


cpu-maker.jpg

昔からCPUメーカーと言えばIntelでしたが、

セカンドソースの契約をIntelと結んで独自開発を続けていたAMDがCPU市場に参入し、ほぼ独占状態にあった市場を揺るがしました

現在シェア率の高いCPUは、IntelとAMDの二大メーカーとなります

◆CPUの種類◆


まず現行のCPUの種類を挙げてみましょう

Intel製なら
Atom
Celeron
Pentium
Core i3
Core i5
Core i7
Core i9
Xeon

Atomが最下位モデルで、Xeonが最上位モデルです
上から順に下に掛けて性能が高くなります

ノートパソコン向けの
Core m3
Core m5
Core m7

という物もあります

AMD製なら
Athlon
Ryzen3
Ryzen5
Ryzen7
Ryzen9

上から順に下に掛けて性能が高くなります

表に表すとこのようなイメージです
cpu-seinou.jpg

◆CPUの使用用途◆


▼【Atom、Celeron、Pentium】

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Intelの廉価モデルです
Atom以外は、2000年より前から存在していた息の長いCPUです
現在は安価なモバイルノートなどに使用されています
性能は低めで高負荷な使い方には向いていませんが、ネットサーフィンをする、ネットで動画を観る程度なら十分です
また、電力消費が少なく本体が熱くなりにくい省電力性が売りなCPUです

▼【Core i3、Core i5、Core i7】

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現在最もポピュラーなCPUです
ノートPCでもデスクトップPCでも、高確率でこれらのいずれかのCPUが搭載されているはずです

Core i3(ローエンド)・・・ネット閲覧、動画鑑賞、オフィスソフト、メールなどは問題なく使用できます
ゲームや動画編集ソフトなどは物にもよりますが、やや厳しいと思います

Core i5(ミドルレンジ)・・・処理能力はそれなりに高く、大抵のソフトは無事に動きます
ですがマルチタスクや重いアプリになるとパワー不足を実感する事も少なくないです

Core i7(ハイエンド)・・・CPUの負荷の高い処理を遅延なく快適にこなします
Core i7より上を要求されるゲームやアプリはまずないので、ほぼ何でも出来ます
個人用で使用するにはこれがあれば充分です

▼【Core i9、Xeon】

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現行で最高峰のCPUです
高性能に伴い、非常に高価で、特別なこだわりや用途がない限り選択する必要はありません

特にXeonは企業向けで、主にワークステーション・サーバー用途向けに販売されているCPUなので
一般の人が使用する理由は余りないと思います

▼【Core m3、Core m5、Core m7】

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ノートPCやタブレット向けに製作されたCPUです
スペックはPentium以上、Core iシリーズ以下という位置づけです

▼【Ryzen3、Ryzen5、Ryzen7、Ryzen9】

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AMD製のRyzen3、Ryzen5、Ryzen7、Ryzen9はそれぞれ
Intel製のCore i3、Core i5、Core i7、Core i9に相当するCPUです

性能や使用用途に関しても、Intel Core iシリーズとさほど違いはありません

強いて違いを言うのであれば
Intel Core iシリーズの方がメジャーで、目にすることが多いのに対し
Ryzenはまだまだマイナーなモデルです

またRyzenはCore iシリーズと比べ価格が安い傾向にあり、コストパフォーマンスは優れていると言えます

▼【Athlon】

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AMD製のAthlonは、Intel製のCeleron、Pentiumとほぼ同等の性能だと思ってもらって大丈夫です

―――

正直新品パソコンを購入するなら、これだけ知っておけば大丈夫です

それぞれ使用用途に応じて選んでいただいて問題ありません

しかし中古パソコンを購入する際は、CPUの世代もチェックしておきたいところです

◆CPUの世代◆


CPUは同じ物でもほぼ毎年改良されたものがリリースされており、
第〇世代CPUとか呼ばれています

例えばCore iシリーズなら、第2世代は2011年、第3世代は2012年、第4世代は2013年にリリースされたものであり、
最新の第11世代は今年2021年の3月に発売されています

Core iシリーズ各世代の発売日は以下の通りです

sedai.jpg

新品パソコンであれば、最新~2、3年前までのCPUが搭載されている事が多いですが
中古パソコンはかなり世代を遡ったモデルも売られています

◆CPUの世代の見方◆


スペックに第10世代Core i5搭載!と書かれていれば、世代は一目瞭然ですが、書かれていない場合でも型番で分かります

cpu-meisyo2-line.jpg

core i5の後ろに4桁の数字「8250」とありますが、この最初の数字が世代を表しています

つまり上記の「Core i5 8250U」は「第8世代 Core i5」という事になります

↓このように、赤線の部分が世代となります

cpu-meisyo4-line.jpg

Ryzenの場合はあまり第〇世代という言い方をしません
発売日は3000シリーズが2019年、4000シリーズが2020年といった感じです

※これらの型番の最初の数字が世代を示しているのは「Core iシリーズ」「Ryzenシリーズ」のみであり
他のシリーズの型番も世代を示しているとは限らないので注意です

―――

ちなみにこれは重要ではないですが、
型番の末尾に「U」とか「HQ」とか記載されています

これはシリーズ記号を表しており
U・・・低消費電力CPU、ノートPCで非常に多く使用される
H・・・ハイパフォーマンス・グラフィックスでノートPCでもデスクPC並みの性能
HQ・・・ハイパフォーマンス・グラフィックス・クアッドコアで凄く高性能

という意味があります

他にもいろいろな記号がありますので、気になったら調べてみてもいいかもしれません

◆ベンチマークによる性能比較◆


さて、CPUの世代が分かったところで、それがCPUの性能と何か関係があるのでしょうか?

・・・大いにあります

CPUは世代が変わるごとに、処理の高速化、小型化、省電力化、グラフィックの向上などが為されており
例えば同じCore i5でも初代と最新版では相当な性能差があります

基本性能はCore i7>Core i5ですが、世代によってはこれが逆転し、
第10世代Core i5が第7世代Core i7を処理速度で上回るなんて事もよくあります

ではCPUの種類と世代、どちらを重視すればいいのか?

これは難しい質問です

基本的にCPUのランクの高く、世代が最近の物ほど、性能のいい物である事には違いありませんが、

それを詳しく知るためには「ベンチマーク」という手段があります

ベンチマークとは、CPU性能テストの様な物で、そのパソコンに入っているCPUの性能を図るフリーツールですが
自分で行うより、様々なCPUの計測結果と比較がネット上にありますのでそれを参考にします

「Corei5 10210U ベンチマーク」という風に「CPUの種類と型番とベンチマーク」で検索すれば、
他の現行モデルのCPUとの性能比較を閲覧できます

ベンチマークCore i5-10210U.jpg

このように目当てのCPUがどの位の性能に位置するか分かります

ベンチマークを検索するのが面倒であれば、もう一つCPUの性能を図る指針があります
それがコア数、スレッド数、周波数です

◆コア数、スレッド数、周波数◆


cpu-meisyo5-line.jpg

CPUの種類から用途で選ぶなら、これらはそれほど気に留める必要はないです
(CPUの種類と世代で、これらのだいたいの数値は決まるので)

しかし「コア数、スレッド数、周波数」はまさにそのCPUの性能を数値化したものであり、大して複雑ではないので、知っておいて損はありません

【コア数】

例えるなら、コア数は作業者の人数のようなもので、
多ければそれだけマンパワーが増え、複数の処理を同時に行えるようになります

corecpu.jpg

↓このようにコア数はCPUの性能の良い物ほど、多く積まれています
core.jpg

1コア=シングルコア
2コア=デュアルコア
4コア=クアッドコア
8コア=オクタコア

と呼ぶ事もあります

※point
単純に「4コアは1コアの4倍の処理能力!」と思われるかもしれませんが、それはどのような処理を行うかによります

推奨環境の高いゲームや、動画編集ソフトなど4コアをフル回転させるほどの様々な重い処理を同時に行っているのであれば、4コアフル稼働で、1コア搭載モデルの4倍近い処理能力を発揮しますが、
1コアだけで済むような軽い処理であれば、1コアだけが稼働し、他の3コアは待機状態となります

つまりネットサーフィンやOfficeソフトなどをするだけなら、
1コア搭載でも4コア搭載でも、稼働しているのは1コアだけなので、速度はそう変わらないという事です

軽い使い方なら高性能なパソコンは必要ない、とは正にこの事を示しているのです

―――

例えばベンチマークによっては
シングルスレッドとマルチスレッドという二つのテストをしている所もあります

シングルスレッドは単一処理を行ったときの処理スピード、
マルチスレッドは複数処理を行ったときの処理スピードです

シングルスレッドのテストでは、1コアでも4コアでも速度はほぼ変わりませんが
マルチスレッドのテストでは、1コアと4コアでは大きく差が開きます

【スレッド数】

スレッド数はほとんどコア数と同じか、コア数の2倍に設定されています

スレッド数とは論理的なコア数を示します

コア数<スレッド数の場合、
1コアが処理を行っているとき、その処理が軽いものであり、まだ余力があるなら
その1コアが同時に別の処理を行うことが出来ます

作業者(コア)が2つの作業を並列して行えるという事です

corecpu2.jpg

つまりスレッドは最大タスクの数を表しており、
4コア8スレッドなら、4人の作業者が同時に8つの作業を分担して行えることとなります

これは非常に効率が良く4コア4スレッドよりもお得ですが、
あくまでその4コアの余力があるという条件下でのメリットであり
4コアが単一の作業に手一杯で他の作業に手が付けられない時は、8スレッド分のパフォーマンスを発揮できません

【周波数】

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周波数はクロック数、動作周波数とも呼ばれます

周波数はCPUの1コアあたりの処理速度そのものを示します

これはCPUが1秒間に動作する回数(ON/OFF)を示しており、
CPUの周波数が1.60GHzであれば1秒間に16億回処理を行っているという事です

現行モデルでは1.1GHz~5.0GHzぐらいまでが販売されており、これが高ければ処理速度も速いです

(※しかし意外に、高ランクCPUが高い周波数を備えているかというと、そうではなく電力消費との兼ね合いで敢えて低く抑えているモデルもあるようです)

またCPUメーカーは昔に比べ、周波数よりコア数でパフォーマンスを上げる傾向があります

●ターボブーストについて

「ターボブースト」というのは、コアをフル稼働にして処理速度を上げる機能であり、
この機能が付いているパソコンは、設定をすれば通常以上のパフォーマンスを発揮させることが出来ます

通常1.60GHz / ターボブースト時3.40GHzなら2倍以上の処理速度の上昇が見込めるという事です

しかしその分消費電力も倍増する事も注意しなければいけません
(ただ昔のオーバークロックとは違って、安全な範囲で処理速度を制御しているので、無理な電力上昇による事故などの心配はありません)

・・・
・・

まとめると

コア数=作業者の人数


スレッド数=最大タスク数


周波数=作業者の処理スピード


ターボ・ブースト時の周波数=作業者のMAX処理スピード

となります

シングルタスクなら、周波数
マルチタスクなら、コア数×周波数が

そのCPUの処理速度だと考えてもらって大丈夫です

―――

ちなみに
AMD最高峰の「Ryzen Threadripper PRO」の上位モデルは世界最高となる最大64コア、128スレッドで、
Intel最高峰の「Intel Xeon」の上位モデルも最大56コア、112スレッドです
とんでもないオーバースペック構成ですが
その分値段も70万~100万超と凄まじく破格です
まあ、一般ユーザーならCPUの価格は高くて5万ぐらいで問題はないんですが。。。


如何でしょうか?

これでCPUの表記の大まかな意味が掴めたのではないかと思います

「CPUの種類×CPUの世代」と「コア、スレッド、周波数」はどちらも判断材料として重要なので

ご自身にあったスペックのパソコンを購入できるよう、是非参考にしてください

―――

また完全に余談ですが

実際のCPUの発売時期を、Windowsの発売時期と比べ合わせるとこのようになります

cpuage.jpg

IntelはCoreシリーズが出るまでは、Pentium、Cleronが主力となっていたことが分かります

AMDもRyzen登場までは販売中止となった物も多いですが様々なCPUが登場していました

ちなみにマルチコアの概念が生まれ、初めてデュアルコアが採用されたのは、2003年のAMD Opteronや2005年のIntel Pentium Dであり
それまでは、CPUの性能の良し悪しはほぼ動作周波数で判断されていました

またRyzen登場までにAMD製は空白がありますが、実際は2015年にZenアーキテクチャが生産され、2017年満を持してそれが採用されたのがRyzenシリーズとなります

こうして発売履歴を見ると色んな発見があって楽しいですね!

それでは、これからもオーエープラザをどうぞよろしくお願いします!

新しいストレージ形式「eMMC」とは?

おはようございます!
こんにちは!
こんばんは!
オーエープラザ店長の桑原です!

最近パソコンのスペックで、こんな表記を目にする事があります

「ストレージ容量 eMMC:64GB」

SSDでも、HDDでもない、ストレージ形式「eMMC」とは
一体何でしょうか?
その特徴を解説します

◆eMMCとは?◆


image(1).jpg

eMMCは「Embedded Multi-Media Card」の略称です
eMMCは仕組みとしてはフラッシュメモリ媒体であり、構造はSSDとあまり変わりません

そのコンパクトさ故に、
主にモバイルノートPCやミニパソコン、スティックパソコン、タブレット、スマートフォンなどに搭載されています
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マザーボードに直接取り付けられているので、
基本的にSSDやHDDのようにデバイスから取り外したり交換したりは出来ません

※point
eMMC(Embedded Multi-Media Card)の「Embedded」は「埋め込み」という意味です
つまり基盤に埋め込まれているという事です

なので、交換用にeMMC単体で売られている事もほとんどないと思います

◆サイズがコンパクト◆


長所はまさにこれに尽きます

基盤一枚の薄さで、SSDと比べても遥かに面積は小さいです

実際に目にする機会はほぼないので実感は出来ないかもしれませんが、
マザーボードにちょこんと付いている黒いチップがそれです

薄型ノートの基盤にあるeMMCの画像です↓
サイズを測ったところ、縦1.15cm、横1.3cmでした
親指サイズですね
90513.jpg

このサイズは非常に革新的で、今やありとあらゆる小型デバイスに搭載されています

◆消費電力が少ない◆


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駆動部分がないことから、SSDはHDDより消費電力は少ないと言われていますが、
eMMCはそれよりも更に少ないです

バッテリー容量に限界があるスマートフォンやタブレットに、省電力なeMMCを搭載する事によって
バッテリー駆動時間を増やせるという大きなメリットがあります

◆容量は64GBが主流◆


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容量は32GB・64GBが多く、稀に128GBが見られます

HDDではTB単位が主流になりつつある事を考えると容量は非常に少ないですが、
eMMC搭載デバイスでは、余りデータをため込むような使い方はされません

それでも容量を増やしたい時は、SDメモリーカードを挿入できるカードスロットやストレージサービスなどでカバーできます

またeMMC搭載モデルは価格が安めに見えますが、それは容量が少ないからであって容量当たりの単価は、やや高めです

eMMCは容量ごとに形状が異なっています
なので基板を一度設計すると、容量を増やすことは簡単には出来ません

◆転送速度は並◆


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転送速度はHDDより上ですが、SSDよりは多少劣ります

しかしeMMC搭載デバイスで、大容量ファイルの転送を行うような使われ方は余りされないので重要度はさほど高くないかと思います

またeMMCを搭載したノートPCは、SSD程ではないにしろ、
起動時間はかなり短い点も注目です


比較すると以下の通りです

無題.png

総評としては、

eMMCはSSDより性能が劣る部分は多いものの
eMMCが搭載されるミニパソコンやモバイルノート、スマートフォンならこれで十分といった感じです

適材適所ですね!


仕組みで言えば、SSDもeMMCもどちらもフラッシュメモリという枠組みに入ります

eMMCはスマートフォンなどにも使われていると言いましたが、必ずしもeMMCが使われているのでありません

現にUSBメモリ、SDメモリーカード、iPhone、アップルウォッチなどはSSDでもeMMCでもないフラッシュメモリが内蔵されています

これは特に名称がある訳でなく、
例えばスマートフォンのスペックを見ると「128GB ROM」などと書かれていてストレージ容量が128GBであることは分かりますが、
ストレージ形式は基本的には書かれていません
(フラッシュメモリであることは明らかなので、敢えて記載する必要がないのでしょう)

またフラッシュメモリにも種類があり、
読み取りは低速、書き込みは高速の「NAND型」、
読み取りは高速、書き込みは低速の「NOR型」というのがあります

NAND型は高集積化できるためSSDやeMMCとして、
NOR型はデジタルカメラ、プリンター、ルーター、スマートフォンなどで採用されているようです

それでは、これからもオーエープラザをどうぞよろしくお願いします!